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 ■ 臥龍山(がりゅうざん)          標高 1,223m 2003年2月2日 曇りのち雪

 

寒さに苦手な私は、決して好んで寒冷地には行かないつもりでいた。その私がなぜか今日は積雪が2m近くもある、県下でも有数の豪雪地帯に来ている。

前日までに自動車のチェーンを買い揃え、また携帯用の保温ポットやスノーシュー(カンジキ)も用意して一路『臥龍山』を目指していた。どうやら一週間前の白木山でアイゼンを履いたのが雪山への思いを変えてしまったようだ。雪道を思いっきり歩いて見たいという思いに駆られてしまった。

雪道なのにチェーンも殆ど必要ないかと思えるくらい、良く整備された道路だった。この辺りはスキー場も多く、他県ナンバーの車も多く見かけられた。
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久々に訪れる冬の芸北だった。我家の子供達がまだ小さかった頃はよく家族スキーを楽しむために来たものだ。

先ほどまでの国道191は良く整備されていたが、一歩脇道に入ると、ここが雪国であることを否が応でも実感させられた。

昨秋、紅葉を見に来たときは期せずして雪路を登った。今回は、それを楽しむためにわざわざやって来た。この山とは、よくよく雪と縁があるようだ。
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以前来たときは、車が入り込める道が一本あったのだがどうやら雪に埋もれてしまったようだ。今日は一面雪で覆われていた、『かきつばた』の畑を横目に見ながら一路登山道を目指して歩いた。

最初は、歩き方もぎこちなかったが、直ぐに慣れてきた。スノーシューのお陰で新雪の上を歩くのが実に爽快だった。おまけに2m近い積雪のため本来の道筋も省略され、登山口目指して雪原を一直線に突き抜けたのも痛快だった。
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遥か前方の曇り空の向うには、雪化粧をした『臥龍山』がどっしりと横たわっていた。

やがて登山道に入り、辺りの景色が一変した。これまで目にしたこともない、何とも形容しがたい、素晴らしい、白銀の世界だ。この空間に入り込んだ人は誰もが、しばし佇み、この光景に見惚れることだろう。

夏の山は力強くて好きだが、冬の山も神秘的で魅力的だ。僅かに覗く樹木の色と白一色だけの、それはそれは、神秘的な景色だった。
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白銀の世界に囲まれながら山道を登りきると、林道の終点に差掛かった。名水『雪霊水』も恐らく雪の中に埋没していたのだろうが、きっと誰かが穴を開けてくれていたのだろう。湧き水だけは辛うじて流れているのが見えた。

ふと周りに目をやると、もう言い表す言葉も見つからないほど幻想的な素晴らしい景色が広がっていた。
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頂上に到達する頃には、また雪が降り始めた。今日のような登山が始めての私には、帰り道が雪で埋もれて分からなくなるのではないだろうかと多少不安になっていたが、それ以上に頂上からの眺めに惹かれていた。

最後の激しい登り坂を上がりきると『八畳岩』が申し訳なさそうに顔を出していた。以前来たときは、見上げるような高さだったのに今日は、やや見下ろすくらいの位置だった。
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眼下に広がる山頂からの景色だ。空気も澄んでおり遠くまで実に良く見えた。

先ほどからの雪は冷たい風と共にまだ降り続いていたが、今日は、白銀の世界を堪能できたので充分満足できた。

11時から登り始めて約2時間の登山だった。昼食は、早々に済ませて下山することにした。
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青空が一瞬顔を出した。樹氷をその身に纏った小枝は心持ち寒そうに見えたが、青空をバックに見たその姿は実に凛々しく、思わずシャッターを押していた。

帰りは、面白いように下りれた。結構傾斜があったが、裏面に歯を持ったスノーシューがスキーの役割をしてくれて緩やかに滑り降りることが出来た。その後も飛び跳ねるように下り続けることが出来た。

やがて、麓にたどり着くことが出来き、今日の無事を感謝した。

ここまで来たら帰りは深入山の暖かい風呂に行かぬ手はない。体の芯まで温もって帰路に着くことにした。
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